いちじく
クワ科、イチジク属
イチジクの種類
Fig Varieties
イチジクは花と受粉の性別に基づいて主に2つのタイプに分類されています。
1つめのCaprifig(カプリイチジク)の実タイプは、花粉(Pollen)を作ります。実は食べられないです(inedible fig)。
2つめのFicus palmata は雌花のタイプで、カプリイチジクの花粉に依存してparthenocarpically果物を作ります。非常においしい果物(edible fig)で、後で使用するために乾燥されます。一般的にイチジクと言われている果実はcaprifig(カプリイチジク)またはcomone fig(コモンイチジク)で、実の面で見ると経済的一番大切です。
イチジクの品種(Fig Varieties)
**Parthenocarpicallyとは単為結果(たんいけっか)です。単為結果植物は受精を行わずに、子房壁や花床が肥大化することで果実を形成します。このようにしてできた果実は通常無核果実です。
イチジクの品種は世界で700種以上と言われています。品種は栄養活力、受粉要件、収量、果実の大きさ、形、肌の色、パルプ品質や色によって分類されています。大きなサイズのイチジクは'共通のイチジク{ Common fig (Ficus carica) }グループに属しています。主なCommon figの種類は Adriatic , Calimyrna (Lob Injir) , Kadota (Dottato) and Ezmira ".で、ペルシャ産の白イチジクはEzmiraに
属します。
ペルシャ産白いちじく
ペルシャ産イチジクはCommon fig (Ficus carica)と呼ばれる種類です。イラン産イチジクは主にEzmira品種です。Ezmiraに属する種類はカシュキ・ロノ・マッティ・ヤシ・ブラックParthenoc(受粉が要らない種類)です。これらはみな、イラン全土で栽培されています。これらのイチジクは乾燥イチジクではなく生で売られており、ブラックイチジクはそれの一例です。白イチジクもEzmira品種ですが、他の種と違って受粉する品種です。元の色は緑でイランのファース県エスタハバン(Estahban)市周辺で自然に近い環境下で栽培されています。エスタハバンのイチジク畑は約20'000ヘクター,2'000'000本ものイチジクの木がありますが、その98%は緑色のEzmira種です。このイチジクは樹の上で塾して天日になってから収穫します。自然の日差しを十分に浴びているためイチジクの色自体は白くなります。そのためペルシャ産白イチジクという名前で売られています。ペルシャ産白イチジクは他の種類と違って受粉が必要です。受粉はイチジクバチ(Blastophaga)を利用します。Blastophagaは4種類あり、春夏秋冬でそれぞれ異なる種類が存在します。春物のBlastophagaを受粉のために使います。受粉した1樹から約40Kgの天日干しのイチジクを収穫します。栽培には化学肥料、農薬、ホルモンなどを使う必要がないため、結果としてオーガニック食品となります。イラン国内で販売されている乾燥イチジクは100% エスタハバン谷で栽培されています。エスタハバン谷の、熱く乾いた夏の太陽は白イチジクの栽培や天日に理想的です。エスタハバン谷ではイチジクの栽培は灌漑方法で行われています。自然に近い栽培地として、FAO(国際連合食料農業機関)からも非常に高い評価を得ている地域です。白イチジク栽培の土のPHは約7で、土は砂っぽい乾燥環境です。この種類のイチジクの樹は塩分に比較的強く、樹を増やす方法としては、挿し木やクラフティングが挙げられます。挿し木は冬の終わり頃に行い、樹齢2〜3年の樹から約40cmの枝を使います。白イチジクの樹は樹齢4年目頃から実をつけます。イチジクの加工食品は、ジャム、ジュース、酢、ビスケット、ケーキ、などです。
白いちじくはサスティナブルフードの基準で栽培幅広い意味、私達の体や自然環境に優しい、環境を改善、持続可能の食品です。
クワ科イチジク属
無花果という言葉通り、花の無い果実です。実は、花は表面ではなく実の中にあります。不思議な植物ですが、実の中に花が咲きます。イチジクコバチというハチが、オスの実とメスの実を行き交うことで受粉するのです。メス木だけで実を結ぶ(単為結果)ので、普通に育てる上でオス木は必要ありません。オス木は、受粉しないので、種ができません。増やす場合には、挿し木やクラフティング、木のわき目からできる苗を使います。
歴史
原産地に近いメソポタミア地域では6千年以上前から栽培されていたことで知られています。地中海世界でも古くから知られ、古代ローマでは最も日常的なフルーツの一つであり、甘味源としても重要な役割を果たしました。エジプトでは紀元前2,800年頃、盛んに栽培されていました。野生で自生のイチジクは、昔からイランのホラサン県ジバダショト(Khorasan Pref. Ziadast erea)でAnjir Kohiという名前で存在した記録が残っています。現在もイラン北部のジャングルで野生の黒と白のイチジクが存在しています。樹は細長く、10〜15mにもなります。実は小ぶりで美味しく食べられています。
日本には江戸時代初期、名称節にもあるように、ペルシャから中国を経て、長崎に伝来しました。当初は薬樹としてもたらされたそうですが、やがて果実を生食して甘味を楽しむようになり、また、挿し木で容易にふやせることも手伝って、手間のかからない果樹として家庭の庭などにも植えられるようになりました。
旧約聖書』の創世記(3章7節)に「エデンの園で禁断の果実を食べたアダムとイヴは、自分たちが裸であることに気づいて、イチジクの葉で作った腰ミノを身につけた」と記されています。また、『新約聖書』のルカによる福音書には、実のならないイチジクの樹の例え話が記されており、実がならないイチジクの樹を切り倒すのではなく、キリストは実がなるように世話をし、肥料を与えて育てたと言われています。イチジクは聖書の中でイスラエル、または、再臨・終末の喩えと関連してしばしば登場します。コーランにも幾つかの箇所でイチジクのことが記載されています。最近の研究では、ヨルダン渓谷に位置する新石器時代の遺跡から、1万1千年以上前の炭化した実が出土し、イチジクが世界最古の栽培品種化された植物であった可能性が示唆されています。
古代ローマの政治家大カトは、第一次・第二次ポエニ戦争の対戦相手であったカルタゴを滅ぼす必要性を説くため、演説の中でカルタゴ産のイチジクの実を用いたと言われています。当時、イチジクの流通は乾燥品が中心であったにもかかわらず、カルタゴから運ばれたイチジクは生食できるほど新鮮で、カルタゴの脅威が身近に存在することを証明する十分なアイテムでもありました。
イチジクの効能
葉っぱのお茶は利尿作用があり、また、頭痛の痛み止めや胃の虫をなくします。イチジクの実はビタミンやミネラルのバランスが良く、また、それを煮たエキスは喉の痛みや気管支、歯茎を強くする作用があります。加えて、風邪にも効き目があり、食物繊維が多いため便秘改善にも良いと言われています。イチジクの切断部から出てくる白い液体にもタンパク質分解酵素が含まれていて、イボ取りなどの民間療法に使われています。
ペルシャ伝統医学では、高血圧予防・動脈硬化予防・脳梗塞予防・心筋梗塞予防・便秘改善などについても言及されています。その理由として、イチジクは比較的多くのカリウムを含んでいる点が挙げられます。カリウムは血圧を下げる効果があるので、高血圧や動脈硬化などの予防に役立つとされ、また、ペクチンをはじめとした食物繊維も多く含まれているので便秘改善にも効果あると言われています。イチジクに含まれている酵素(フィシンというタンパク質)が食後のデザートとして食物の消化を促進してくれます。
Anjeer Kohi(アンジルコヒ)Mountain fig tree
イラン最古のイチジクの種類はAnjeer Kohi(別名マウンテンイチジク)です。
数千年前から自然環境下で植生しています。Anjeer Kohiは最古のイチジクの樹で、実を作りはしますが、収穫量が非常に少ないため、一般市場には出回っておりません。
マウンテンイチジク(ペルシア語で"Anjeer Kohi"アンジルコヒ)は野生のイチジク(wild fig)で、イランのZibad村Gonabad市ホラサン県に植生しています。
マウンテンイチジクZibadの山脈の砂漠の岩の山岳地帯で野生で栽培しています。この種類は厳しい暑さや寒さ(40℃)、乾燥気候などといった環境にも順応できるため、灌漑も要らないイチジクです。
アンジルコヒ (野生いちじく)
黒いちじく
日本の主ないちじくの種類
1−桝井ドーフィン「桝井(ますい)ドーフィン(ドウフィン)」
国内での販売シェアは約8割です。8月〜10月頃に収穫されます。
2−蓬莱柿(ほうらいし)
ほうらいしは「日本いちじく」とも呼ばれます。お尻の部分が割れやすく、日持ちが悪いためあまり出回っておりません。
関西以西で栽培され、出回るのは8月下旬頃からになります。
3−とよみつひめ
福岡県で生まれた品種で旬は8月中旬頃からです。
4−ビオレ・ソリエス
フランス原産のイチジクです。佐渡や一部の地域でハウス栽培されていますが、流通量は多くありません。
5−スミルナ
この種はトルコやカリフォルニア、イタリア原産もあります。主に乾燥や缶詰用として利用されています。
日本への出荷量は少ないです。