アンチエイジング





砂漠が授けてくれた、奇跡の果実
 第一回目:ドライフルーツ

照り付ける太陽の下、気温は「50度」。外に出ることすら危険な砂漠の暑さの中、らくだに乗ったキャラバンは、潤いを求め、オアシスへ。カラカラに乾いた砂漠に、星空が踊り出す頃には、気温も一転、「0度」の域へ下がると言う。「温度差の激しいその過酷な状況は、人間だけでなく、植物も同じ。だからこそ、その中でたくましく育った果実は、生命力を持つ、奇跡の果実なのですよ」。

 

「アンチエイジング・フード」を求めうかがった先で、しばし、砂漠の写真を前に、異国へトリップ。お皿に盛っていただいた「奇跡の果実」は、どれも、私の体にパワーを補給してくれているよう。自然が全くコントロールされていない環境で育った物は、それだけチカラを秘めた食べ物となるのです。これは、スゴイ!

 

 

皆さん、こんにちは。「アンチエイジングなフードナビ」。ナビゲーターの野菜ソムリエ・神林春美です。今回は、このコーナーの特別企画!かつてのペルシャ、現在のイランから届いた「ドライフルーツ」について、3回にわたってご紹介します。ドライフルーツは、私自身とても好きな食べ物。日頃から、マンゴーやイチジクはよく食べていますが、今回は、日本ではまだ珍しいドライフルーツと対面。しかも、話をうかがうにつれ、非常にアンチエイジングに効く食べ物だと知ったのです。

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まず、特別企画第一回目の今回は、「ドライフルーツ」そのものの特徴について。実はこれ自体、非常にアンチエイジングな食べ物ということですが、それはなぜでしょう?調べてみると、私達の美容の上で毒とも言える「活性酸素」(細胞に損傷を加え、シミ・シワ、老化を引き起こすと言われる、普段から避けたい酸素です)を取り除く働きも持つのが、ドライフルーツ。ご存知でしょうが、活性酸素は「現代社会」が生んだ負の産物、とも言えるもの。排気ガスやOA機器、パソコン、タバコにアルコール、それにストレスまで…。現代の日常には、負の産物・活性酸素を発生させる要素が、簡単には避けられないほど多くあるのです。

 

その活性酸素を取り除くのが、「抗酸化物質」と呼ばれるもの。もともとフルーツには抗酸化物質が多くあり、(例えばビタミンやミネラルはその代表ですが)、その働きを、まさに「丸ごと」いただけるのが、ドライフルーツの素晴らしきところ!乾燥させることで、水分が抜け甘みもアップ、食物繊維が多い皮もそのまま食べられ、抗酸化物質も“効率良く”摂り入れることができるのです。

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「自然から生まれたものは、アンチエイジング。このドライフルーツも、自然がコントロールされていない地で育ったからこそ、活性酸素に対するパワーも強いんです」、そうお話しくださったのは、イラン出身のラザニ・ホセイン氏(株式会社バイオシード・代表取締役)。ホセイン氏によれば、イランの気候はドライフルーツには最適な環境。「私達の契約農場がある砂漠の中は、日中は気温50度。木に実がなれば、木の上で自然にそのまま乾燥していくんですよ」と。夜は0度になる温度差もまた、抜群の環境。「湿度のない中、実の中の中まで、完全に水分が抜け切る。だから、保存料や防腐剤を使う必要もないんです。自然のパワーはスゴイです」。

 

お話を聞きながら、なるほど、そうか!と。厳しい自然環境で、甘やかされずに育った分、そのもの自体が持つ生命力も強く、活性酸素を退治する抗酸化物質の働きも強力。しかも、後付けで必要な様々な添加物も必要なし。自然の享受を丸ごと食べる=アンチエイジング、と言うことです。

興味深いお話を次々と笑顔で教えてくださる、ホセイン氏。特集二回目の次回は、ホセイン氏が「特にアンチエイジング!」と紹介してくださった「奇跡の果実」とも言われる神秘的な「デーツ」についてご紹介します。お楽しみに!

砂漠が授けてくれた、奇跡の果実【第二回目:デーツ(ナツメヤシの果実)】

「その昔、砂漠を移動するキャラバンは、デーツと水だけで生き延びた」という、なんとも興味深い話を紹介してくださったのは、イラン出身のラザニ・ホセイン氏(株式会社バイオシード・代表取締役)。旧約聖書では「エデンの東の果実」、イスラームの聖典コーランでは「神の与えた食物」と記されているのだと言います。そして、現代でもなお、「中東の競馬では、馬の餌にはデーツを与えている」というのも、これまた興味深い話。中近東地域での競馬は、日本にくらべると長距離のレース。しかも、酷暑で乾燥も激しい状況。馬の耐久力が試される中、そこにも「デーツ」は欠かせないのだと教えてくださいました。


「アンチエイジングなフードナビ」。特集企画・第一回目はお読みいただけましたか?こんにちは、野菜ソムリエの神林春美です。前回、イランのドライフルーツのチカラをお話しましたが、二回目の今回は、その中から「デーツ」をピックアップ。ドライフルーツの中でも、「アンチエイジングなものは?」との問いに、ホセイン氏より真っ先に返ってきた答えが、このデーツ(ナツメヤシの実)だったのです。

砂漠のオアシスに育つデーツは、ヤシ科の常緑樹。高さは2030メートルに成長し、花が咲いた後に、一房で約1000個の実がなります。先にお話ししたように、デーツは、紀元前からの言い伝えも多く、神秘的であり、まさに奇跡の果実。その栄養価の高さから、中近東では、妊娠中の女性は毎日デーツを食べることが常識であり、デーツを食べると元気な子供が生まれてくると言われています。かの聖母マリアも、キリストを身ごもっていた時は、毎日欠かさずデーツを食べたのだとか。デーツの素晴らしい言い伝えは、何千年の時を超えても色褪せることを知らない…、こちらの興味も高まるばかりの食べ物です。


では早速、そのデーツ。
400種類以上ある中でも最高級の品種「ピアロム種」をいただくことになりました。外見は写真で確認できるでしょう、大きさは親指より小さい位、褐色の色が太陽の恵みをも感じさせます。味わいは、そうですね、「干し柿のよう」と表現しましょう。ねっとりと濃厚な甘さです。イランでは、朝起きてから寝るまで、どんな時も、人々の傍らには、このデーツがあるのだとか。「普段は、どんな時に食べると良いのですか?」という私の質問はかなりの愚問だったようで、それほど、現地の暮らしとデーツは密接なようです。

もちろん、気になるアンチエイジング効果。こちらも、多くの情報を授けていただきました。もともとデーツはミネラルが豊富なフルーツ。特に「マグネシウム」は体内の水分を腸に集める働きがあり、腸に固まった宿便を取り除く働きが。食物繊維も豊富ということで、まずデーツは<腸内環境を整えてくれる>フルーツだということがわかりました。アンチエイジング世代が気になる、下腹部のぽっこり具合。この原因に宿便は大きく関わっていますから、これは何とも嬉しい情報ですね。
また、それに関連したイランのデーツの素晴らしいところ。それが、その生育環境。中でも、ホセイン氏が専属栽培契約をする農場は、イランのホルムズガン県ハジアバド地域であり、ここは、最高品種ピアロム種が育つ唯一の地域だと言います。大昔は海底だった地域であり、そのため土自体のミネラル分が豊富、その分デーツの栄養価も高いのです。
そして、デーツは、その甘さにも注目すべし。実はデーツの甘さ、約7割は果糖とブドウ糖です。この二つの糖質は、いわゆる単糖類(砂糖は二糖類です)。単糖類は、体に吸収されやすい形になっているため、摂取してからエネルギーになる時間が早いことが特徴です。そのため、ホセイン氏によれば、「イランではラマダーン(断食)明けに、まず最初に口にする食べ物がデーツ」なのだとか。また、ブドウ糖は脳にとって唯一エネルギー源となる糖質。脳が満腹感を覚え、食べすぎの防止にも繋がる糖質です。「朝デーツはお勧めですよ」と言う、ホセイン氏の言葉にも納得です。

そして最後、ホセイン氏の話の中で、特に印象的だったのが、この話。「デーツは、マグネシウムやカルシウム、鉄分、食物繊維に、カリウム、ビタミンA、ビタミンB群など、確かにそれぞれの栄養価は非常に高いのですが、でもデーツの魅力は、何と言ってもそのバランスの良さ。サプリメントと違い、一粒で様々な栄養素を補給できるのがデーツの最大の魅力です。しかも、片手で手軽に栄養補給ができるんですよ。素晴らしい食べ物です。日本の方にも、もっと、このデーツを知ってもらいたいですね」。気になるカロリーは100グラムあたり358キロカロリー。デーツ8個で約50グラムですので、甘いものを欲した時に手を伸ばすには非常にヘルシー。しかも、オーガニック栽培であり、無添加・無着色。「自然のままの甘味」を、体に摂り入れることができます。
品種や原産国は数あれど、育った気候もまた、広い意味で、アンチエイジングに関わってくるものだと、改めて気付かされたデーツのお話。ちなみにイランでは、デーツの木は「一本・二本」ではなく、「一人、二人…」と呼ばれるそうですが、人々の想いが込められたデーツ、さぁ、皆さんも、お召し上がりください。

砂漠が授けてくれた、奇跡の果実【第三回目:ドライレモン、他】

50度を超える砂漠、ラクダに乗ったキャラバン、神秘的な言い伝え、そして、オアシスに育つデーツの木、そのパワー。異国の日常を思い描くだけで、想いは高まるばかり…。「日常の食生活がすでにアンチエイジングに満ちている」とも言える、かつてのペルシャ現在のイランの地へ、最終回の今日も想いを馳せて、お届けしていきます。
こんにちは、ナビゲーターの野菜ソムリエ・神林春美です。三回シリーズでご紹介している今回の「アンチエイジングなフードナビ」。一回・二回と読んでくださった方には、私と同様、イランの奇跡の果実の持つ魅力に、心動かされ始めた方もいらっしゃるのでは?最終回の今回は、きっと皆さんも驚くはず!ドライフルーツの中でも、とってもユニークなものを3つご紹介いたします。もちろん、どれもそれぞれがアンチエイジングに働く魅力を持ったドライフルーツ。女性の体に特に欠かせぬものでありながら、不足しがちな栄養素を補ってくれるアンチエイジングフードです。まず日本では作ることができない、貴重な食べ物ですよ。
は、一つ目からご紹介しましょう。写真をご覧ください。こちら、何か分かりますか?
一見、色も形も胡桃のような、しかもとても固い。「これは何でしょう?」「これはね、
乾燥レモンです」。えーっ!いや、もうビックリ。輪切りにした乾燥レモンはよく
見かけますが、「丸ごと」とは衝撃的な出会い。そもそも、私達日本人にとって、
レモンをそのまま乾燥させる・乾燥できるという発想自体ないですものね、驚きです。
聞けば、この乾燥レモン、ある程度は木の上で乾燥が可能、その後薄い塩水で軽くボイルし、
完全天日干しで乾かすそうです。

                

また、乾燥レモンは「リムアッマニ」という品種からしか作られることのない貴重なもので、皮が薄く中の水分が蒸発しやすいのが特徴とのこと。ご存知のように、レモンはビタミンCが非常に豊富。「ビタミンCレモン○個分」なんていう表現をよくしますね。ビタミンCは美容を語る上で欠かせぬ栄養素。コラーゲンも、それを生成する過程ではビタミンCが必要です。しかし、人間の体は、残念ながら自らビタミンCを作ることは不可能な仕組みとなっており、食べ物から摂取するしかありません。
しかしながら、現在、日本で購入できるレモンは外国産が主流となり、ご存知のように、それらにはポストハーベスト農薬が使用されているのが現状です。残念ながら農薬を考えると、外国産レモンの「皮」は食べずに…、といったところ。そう考えると、この乾燥レモン。お話を聞いた、イラン出身のラザニ・ホセイン氏(株式会社バイオシード・代表取締役)によれば「レモンの効能は乾燥しても、ほぼそのまま残っています」とのこと、嬉しいですね。もちろん、オーガニック栽培で、完全な天日干しですから、防腐剤もなし。安心して、皮の部分も含めたビタミンCをまるごと摂取することができます。ちなみに、この乾燥レモンの使い方。イランでは、細かく刻んで、紅茶と一緒に煮たてたり、レモン水にする他、煮込み料理にも調味料として使われるそう。フォークで穴を開け、お風呂に浮かべれば、爽やかなレモン風呂にもなると言うことです。
  ホワイトマルベリー

続きまして二つ目は、これまた可愛らしい形をしたこちら、ペルシャ語で「Tut(トゥット)」と言う名のドライフルーツ。英語では「ホワイトマルベリー」と呼ばる「桑の実」です。大きさも形も「つくし」のようにも見えますが、食べてみると、まるでキャラメルのような甘さ。
もちろん、「砂糖ゼロの自然の甘さ」です。このホワイトマルベリー、どんなアンチエイジング効果があるのか、まったく想像もつかなかったのですが、鉄分はほうれん草に匹敵する数値。こんなに可愛い外見で、なかなかパワフルなようです。鉄分不足と感じるアンチエイジング世代の女性の方には、お菓子感覚で鉄分を補給できるこちら、オススメです!また、「天然のインスリン量も豊富」とのこと。イランでは糖尿病患者は砂糖の代わりに、このホワイトマルベリーを食べているのだと教えていただきました。


チックピー

そして、ご紹介する最後はこちら。これまた可愛い響きの「チックピー」。可愛いくせに、ビールのつまみにもオススメ!という、実は「ひよこ豆」をローストした塩味のお豆さんです。ひよこ豆のたんぱく質は、豆類の中でも比較的豊富。ベジタリアンの方にとっては、スープなどの煮込み料理には肉・魚の代わりによく入れるのが、このひよこ豆ですね。たんぱく質は、人間の筋肉・血液・骨・皮膚など体を構成する要素を作る必要不可欠な栄養素。しかも、狩猟民族だった欧米人と違い、農耕民族だった日本人は、豆類からたんぱく質を補ってきた遺伝子を持っています。言ってみれば、私達の体は、生まれながらにして、豆類のたんぱく質と相性の良い体質。積極的にお豆を食べたいものですが、そういった意味でも、この塩味のローストひよこ豆!日本では、乾燥したものや缶詰でしか手に入りにくいお豆で、調理としての使い方が一般的ですが、もっと手軽に食べられる点でも、非常にオススメです。最近は、ビールもローカロリーのものが多く出ていますが、おつまみだって気を付けたいところ。一袋50gで約200kcal、ローカロリーでコレステロールもゼロ。「お酒のおつまみにだって、気を抜かない!」を合言葉に、今年の夏はぜひ、ビールのお供にも、アンチエイジングフードを摂り入れてくださいね。

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