ミネラルと健康
Summarised and revised 
By Dr. Hosssein Razani


ミネラルとは

人間のからだを構成する元素のうち約96%は酸素(N)、炭素(C)、水素(H)、窒素(O)の四つが占めています。残りの4%16種類でミネラルと呼ばれます。ミネラルは体内量が多いものを[主要ミネラル]と呼び、比較的少ないものを[微量ミネラル]と呼んでいます。ミネラルはビタミン同様自分ではそれを生成、合成できず、複数の食品からバランス良く摂取しなければなりません。
機能:酵素が体内でスムーズに働けるような環境作りを進めたり、筋肉や神経の機能維持などビタミンと同じような役割も持ちます。また、体を構成する材料そのものにもなっています。

ミネラルの特徴として、あるミネラルが他のミネラルと共同でひとつの作業をしたり、その逆の働きをすることで調和を図ったりと、それぞれが共同的あるいは拮抗的に働くことで機能しています。そのため、ひとつのミネラルだけ過剰に摂ると、他のミネラルの働きを妨害したり、体に害を及ぼすことも考えられいます。


カルシウム(Ca)
カルシウムは 体内に成人で1kgくらい

★血液中には一定のカルシウム量が必要です。
働き:心臓や脳の働き,筋肉の収縮,ホルモンの分泌,血液凝固など 

Ca:Pの比が1:2〜2:1の間でCaは腎臓で作られる活性型ビタミンDで吸収が促進されます
女性ホルモンとも関係があり閉経後は骨から Caを溶けることを妨げていたホルモンが減少し骨からの流出が進みます。

所要量

成人男子 0.7g

成人女子 0.6g

許容上限摂取量

成人 2.5g

多く含まれる食品

牛乳・乳製品・小魚・デーツ・ゴマ・ピスタチオ

欠乏症

骨粗鬆症・歯がもろくなる・成長障害・神経過敏

過剰症

食事からはない体内では高カルシウム血症
(ビタミンDの過剰からくる)

リンP
成人の体内に約0.50.8 Kg含まれます。

90%はリン酸カルシウム・リン酸マグネシウムの形で骨や歯の主成分となります。それ以外に血液中ではリン酸塩として 血液の酸やアルカリを中和する働きをします。

リンの摂取量が多すぎると カルシウムの吸収が悪くなるのでインスタント食品や加工食品の摂りすぎには注意が必要です。

 目標摂取量

成人 0.7g

許容上限摂取量

成人 4.0g

多く含まれる食品

牛乳・乳製品・卵黄・肉・魚

欠乏症

歯がもろくなる・骨粗鬆症

過剰症

副甲状腺機能亢進(2g以上)軟組織のカルシウム沈着

マグネシウム(Mg)
体内に 約30gくらい含まれます。
 

70%はリン酸マグネシウムとしてカルシウムと共に骨や歯に存在します。

慢性的な摂取不足は:虚血性心疾患を引きおこすことやマグネシウム投与によって 高血圧・動脈硬化・糖尿病などの症状が改善されることが解りこのような病気の予防のためにも必要なミネラルだとされるようになってきています。

マグネシウムは ふだんから 食事をきちんと摂っていると不足する心配はありません

目標摂取量

成人男子 0.31g
成人女子 0.26g

許容上限摂取量

成人 0.7g

多く含まれる食品

魚肉類・バナナほうれん草・ごま・大豆・ワカメ・デーツ

欠乏症状

心悸亢進・神経興奮

過剰症

腎臓障害のある人は注意が必要


ナトリウム(Na)
体内に約100gくらい含まれます

細胞の外液の 浸透圧を一定に保つために調整する働きをします。 また体液のアルカリ性に保ったり 筋肉・神経の興奮を弱める働きもします。Kを多く摂るとNaの排泄が増し 過剰による害を防ぐことができます 。

普通の状態で欠乏することはありませんが ひどい下痢や嘔吐・発汗のあとでは不足することもあります。

目標摂取量

食塩として 10g 未満

多く含まれる食品

食塩・塩から・ハム・ソーセージ・蒲鉾・インスタントラーメン

欠乏症

食欲減退・精神不安

過剰症

慢性的には高血圧・胃潰瘍・動脈硬化などを招く


       カリウム(K)

体内に約200gくらい含まれます。

血球・細胞の内液に多く含まれます。Naと共に細胞内

の浸透圧の保持酸アルカリ平衡の保持に重要な働き

をしています。

Naを排泄する働きがありKを摂ることで高血圧などの予防に役立ちます。水分の摂りすぎによって排尿が増えたときなど Kも一緒に排泄されてしまうので 十分に摂ることが必要です。Kは生の野菜や果物・芋・豆類・海藻などに多く含まれますが水に溶け出てしまうので茹でる・煮るなどの調理によってかなり失われてしまいます。

所要量

2g

多く含まれる食品

レーズン・スイカ・リンゴ・柿・セロリ・牛乳・デーツ・ワカメ・鮎

欠乏症

筋力低下・腸壁緊張

過剰症

腎臓の機能障害者には高カリウム血症


塩素(Cl

体内に約150mg含まれます
★塩素は食塩の構成ミネラルで 体内では 酸塩基平衡や浸透圧の調節をする働きをします。(血液など)胃液の中では塩酸として含まれ 消化酵素のペプシンを活性化し 食べ物の殺菌作用や消化促進に働きます。また膵液の分泌促進にも役立ちます。塩素は 食塩として摂取するので不足の心配はありません。食塩には 高血圧などの予防のために摂りすぎの心配がありますが それはナトリウムのほうで 塩素は多く摂ると汗や尿に混じり体外に流れ出てしまうので過剰症の心配はありません。 また 塩素は水道水の殺菌消毒に使われていますが 塩素の入った水は腸内細菌の繁殖が悪くなると言われ ビタミンB群の合成が障害されます。

所要量

2.5g (イギリス)

多く含まれる食品

食塩

欠乏症

胃液の酸度が低下する・食欲不振

鉄 (Fe)
体内に約3〜4g含まれます。

赤血球のヘモグロビンや筋肉のミオグロビン 肝臓のフィリチンに含まれます。

鉄は ビタミンCと一緒に摂ると 吸収がよくなりますので 植物性食品は鉄の吸収をよくするためには ビタミンCや蛋白質と一緒に摂ることが吸収率アップに繋がります。体内の細胞に酸素を運ぶ役割を果たしています。

★不足すると貧血になりやすく、また疲れやすくなります。

所要量

成人男子 10mg 成人女子 12mg

許容上限摂取量

成人 40mg

多く含まれる食品

レバー・肉・卵・マグロの赤身・デーツ・レーズン・イチジク・葉菜類・ホワイトマルベリー

欠乏症

貧血、疲れやすい、怒りっぽい


銅(Cu)
体内に約75150mg含まれます

体内に広く各種の臓器に分布して存在し 酵素の成分にもなっています。

銅は 腸管からの鉄の吸収を助け 骨髄でのヘモグロビン生成のとき鉄の利用をよくする働きをしています。

貧血の予防や治療に 鉄とともに必要です。 

所要量

成人男子 1.8mg
成人女子 1.6mg

許容上限摂取量

成人 9mg

多く含まれる食品

レバー・チョコレート・カキ・エビ・大豆・ピスタチオ

欠乏症

貧血・骨折や変形

過剰症

食品からはない 銅製食器や鍋に酸性食品を保存すると中毒を起こす

亜鉛(Zn)
体内に約2g含まれます。
★若者の間で多い味覚障害は亜鉛不足が原因と言われています。生殖器官の発達にも影響を与えているので熟年者のミネラルともいわれています。
Zn
は広く細胞全体に存在し働きは
DNAや蛋白質の合成に関与しています。
血漿中のZn
ほとんどアルブミンなどの蛋白質と結合していて 
★免疫機能に関係します。
★糖代謝にも必要でインシュリンの合成や作用発現に必須のミネラルです。
★亜鉛の所要量は 鉄と同じくらいとされていますが 尿や汗の中に排泄される量は 鉄の十倍も多く
★ダイエットや運動によって不足しがちになります。 また加齢によっても 尿中の排泄量が増えます。 亜鉛は DNAや蛋白質合成に関係している細胞分裂に必要なため 不足すると免疫機能が低下します。 亜鉛は植物性蛋白質と一緒に摂ると吸収が促進されます。

所要量

成人男子 11 〜 12mg
成人女子  9 〜 10mg

許容上限摂取量

成人 30mg

多く含まれる食品

カキ・ウナギ・たらこ・ホタテ・ピスタチオ・デーツ

欠乏症

子供では 成長障害・鉄欠乏性貧血 
大人では 皮膚炎・脱毛症・味覚障害

過剰症

通常はない 2g 以上とると急性中毒をおこす

セレン(Se)

セレンは抗酸化作用がありビタミンEと一緒に働くとこの作用がより効果を発揮します。

癌の抑制作用効果を持ちます。体の細胞の膜などには不飽和脂肪酸がふくまれますが不飽和脂肪酸は酸化されやすいため 酸化によって体に有害な過酸化脂質を作ってしまいます。この過酸化脂質は老化を早めたり癌や動脈硬化の原因となるのですが このときセレンとビタミンEがあればこれを抑制してくれます。 また体内では 水銀・カドミウムなどの公害物質と結びつき働きを軽減するなど体に有害な物質から体を守ります。セレンは摂りすぎると毒性が現れ中毒を起こす心配のある成分です。

所要量

成人男子 50 〜 60ηg
成人女子 45ηg

許容上限摂取量

成人 0.25mg

多く含まれる食品

いわし・かれい・牛乳・ネギ・カキ・たら・牛肉・玄米

欠乏症

日本人の通常の食事での欠乏はない

過剰症

吐き気・爪の変性・脱毛(一日 300ηg 以上の摂取)

 
マンガン(Mn)
体内に約200mg含まれます。

★骨にはたくさんのミネラルが含まれておりCaPはよく知られますがマンガンも骨の石灰化に必要なミネラルです。

また関節を丈夫にする結合組織の補酵素としての働きもあり成長期には発育を促進するために不可欠です。 糖質・脂質・蛋白質の代謝に働く酵素の成分でもあり エネルギー作りや蛋白質の体内合成に関係しています。
マンガンは全体として 細胞の活力を高める働きをしており 不足すると骨などの発育不全・傷の治りが遅い・インスリンや甲状腺ホルモンの合成不良・エネルギー不足による不活発などがおこります。

所要量

成人男子 4mg 成人女子 3.0〜3.5mg

許容上限摂取量

成人 10mg

多く含まれる食品

玄米・大豆・アーモンド・カキ・さつまいも

欠乏症

通常の食事での欠乏はほとんどない

過剰症

大量に体内に入るとあるが通常はない

 ヨウ素(I

体内に約2030mgくらい含まれます

甲状腺ホルモンの成分としてや 発育を促進・エネルギー産生を高めるなどの働きをしています。
体内にあるヨウ素の約半分は 甲状腺に存在し甲状腺ホルモンのチロキシンとトリヨードチロニンを作る材料になります。これらのホルモンは交感神経を刺激して 蛋白質や脂質・糖質の代謝を促進します。不足すると体がだるい・鈍いなどの症状が現れたり 子供では発育が遅くなったりします。海に囲まれた日本では 海草類を摂っていれば不足の心配はほとんどありません。

所要量

成人 150ηg

許容上限摂取量

成人 3mg

多く含まれる食品

ワカメ・魚・寒天

欠乏症

甲状腺腫・甲状腺機能低下症

過剰症

甲状腺腫・甲状腺ホルモンの生成低下症(2mg/H)



イオウ(S)
イオウはシスチンというアミノ酸に含まれ 体内でも蛋白質やアミノ酸と結合して存在します。健康な毛髪や皮膚・爪を作るために重要な成分です。軟骨・骨・腱を作る成分にも含まれています。また ビタミンB1やパントテン酸と結合して補酵素となり 糖質や脂質の代謝に働いています。これ以外にも有害なミネラルが体内に蓄積されるのを防いでくれたりもします(解毒)。

多く含まれる食品

魚介類・肉類・卵・牛乳

欠乏症

皮膚炎・しみ 爪がもろくなる髪が抜ける

過剰症

ない

モリブデン(Mo)

肝臓や腎臓の中の いくつかの酵素を助ける働きをしています。 また 糖質や脂質の代謝を助けたり の利用を高めて貧血の予防をします。そのため 鉄欠乏貧血の人には必要といえるミネラルです。また尿酸の代謝にもかかわっています。

所要量

成人男子 30ηg

成人女子 25ηg

許容上限摂取量

成人 250ηg

多く含まれる食品

牛乳・乳製品・納豆・豆類・穀物・レバー

欠乏症

貧血・疲労

過剰症

心配はないが 5mg以上/日とると毒性と考えられる

クロム(Cr)
体内ではクロムの中でも3価クロムは糖質や脂質の代謝を良くする働きがあり糖尿病や動脈硬化との関わりで注目されています。これはクロムが 腸内細菌からGFTというクロム化合物に合成され インスリンの作用をよくすることから糖尿病を予防し 血中のコレステロールを正常範囲に保ち 動脈硬化や
高血圧を予防すると考えられているためです。

所要量

成人男子30〜35ηg 

成人女子25〜30ηg

許容上限摂取量

成人 250ηg

多く含まれる食品

野菜・穀物・海産物・肉・魚


コバルト(Co)
体内に 約1.5mg含まれます。

  コバルトは ビタミンB12を作る材料としての働きが中心となっています。体内に存在するコバルトの15%は ビタミンB12を構成する成分として存在し悪性貧血の予防 神経の働きの正常化 バイオリズムのの正常化などに働いています。

多く含まれる食品

レバー・肉類・魚介類・乳製品・納豆・もやし


                       
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